記憶 ―砂漠の花―
「……いいえ、私も行きますよ。足手まといなのは承知ですが、子供たちだけ行かせるわけにはいきません。元はといえば私たちの代で解決しておかなければならなかった事!」
「…母上…」
「――…と、おっしゃるのですが、どうしましょう、ラルファ国王…。」
先生が再び映像を出した。
父上と叔父様の顔が映り出す。
「ずっと、つながっていたのですか?」
母上が驚きの声をあげた。
「いいえ…朝食から、ですね。」
先生が肩をすくめた。
『カルラ…』
父上が渋い顔をする。
「私は、あなたが何と言おうと行きますよ…?」
父上が目を細めて笑った。
『だろうな…。』
「でしょうね…」
キースもそう声を出して笑う。
『お前は昔から一度決めたら頑固だからな…。姿は老いても、性格は昔のままだ…』
「あら…失礼ね。あなたも大分お顔が老けましてよ?」
ふふふ…と母上も笑った。
「あなたの代わりに、全てをこの目で見届けて参ります!」
『あぁ…頼む、カルラ。アズ、アイリ、キース…無事に、無事に帰ってこい!』
「はい…!」
私たちは深く頷いた。