記憶 ―砂漠の花―
マルク信者…
彼らは力を求め、
ウィッチである事を無駄に誇り、
力を持たない人々を差別し、
迫害する――
彼らを止めなければ、
その考えの過ちを正さなければ、
この国は変わらない…
「こちら側のウィッチは…私とアイリさんの二人!分が悪い。そこで、私がまず奴らの力を外側から『強制封印』させる。」
強制的に『封印』?
そんな事も出来るの…?
「そいつらを俺たちが相手するわけだな?」
キースが先生を見据えた。
アズもアランも真剣に話を聞いている。
「…ただし、いわば雑魚にしか効かないだろう。気付かれれば自己防衛され弾かれる。どれだけの人数が残るか分からないが、その人数を私とアイリさんで受け持つわけだ…。」
力を使い慣れない私。
攻撃なんて…
人にこの力を向けるなんて…、
私に出来るかしら…
私の鼓動は早まる。
昨日の事を思い出してしまって、唇を噛んだ。
その心配をくんでか先生がこう付け加えた。
「彼らもこの国に暮らす同じ人間…。悪魔ではない。殺さなくて良い…、いや殺さないでくれ!」
「……!!」
「体の自由を奪えば…、眠らせる事が出来れば!」