記憶 ―砂漠の花―
もう…
嫌なのよ…
次から次から、
新事実に裏切られる。
今まで信じて生きてきたものは何なのか…
私は波に飲まれ、
ただ流されるだけ――
もう嫌…
「――全てよっ!! 」
ウィッチ狩り…
…マルク…
紅い力…
…アラン…紫…
ウィッチ…
…もう一つの心臓…
はっ…と、
私はある事に気付く。
「アランがウィッチ…。母上…は…?」
アランと母上が悲しい瞳でうつ向いた。
「…っ!――全てをっ!!」
怒り…?
悲しみ…?
失望?
私の体は、興奮し、
ガタガタと震えた。
みんな…、
…知ってたんだ。
隠してたんだ…!!
涙が溜まる。
喉が熱い…
ざわざわと、
私の中で血が暴れる。
また、暴走してしまいそうだった。
「…アランは、何も悪くありません。」
母上が、真っ直ぐに私を見つめる。
「全ての原因は…、私。私が、全て話しましょう…」
「――叔母様ッ!それは…」
「…いいのっ…!!」
止めるアランに、母上が大きな声を出して制した。
「…ごめんなさい…、でも、いいのよ…。もう、いいの。」