記憶 ―砂漠の花―
「…アズ、…アズ!?…お前まで…まさか逝かないよなぁ…!?嘘だろぉ――!?」
俺は、信じられなくて。
ただ、信じられなくて…。
アズも、
最期は笑っていた。
「…ア…ラン…国を…たの…む…よ…」
これは、『罰』なのだと…
掠れる声で繰り返した。
アズも…
アイリを抱き締めたまま、
微笑んでいた――
俺は…、
大切な人を、二人も失った。
それは、一瞬の間に…
もう…
誰が悪いかなんて、
何が『罪』なのか、
誰に対する…
『罰』なのか――
分からなかった。
俺は、
アズの意志を継いだ。
『嘘のない国』――
それは、あまりにも難しい。
とても困難な道で、投げ出したいと思う事もある。
でも、俺には…
これしか残っていないんだ。