記憶 ―砂漠の花―
「…なぁ…、キース。」
「…なんだ…?」
「…二人は、またどこかで逢えるかな…?」
キースは、静かに…
でも、しっかりと頷く。
「…きっと…!どこか、誰にも分からない地で。二人の想いは消えないから……」
「……だと…、いいな…。」
寂しげな、
半分崩れかけた城壁に、
乾いた砂漠の姿。
そして、
そんな風景を前に、
立ち並ぶ花たちは、
凛と誇らしく、乾いた風に吹かれては揺れる…。
この光景が、
アイリは好きだった。
後ろから…、
そんなアイリを愛しそうに見つめるアズの姿が目に浮かぶ。
墓石の横で…、
一本の砂ヤシの隣に咲く、
二つの、紅い花。
乾いた夜風に揺れて、
凛と…、
誇らしく、微笑んだ――――。
生きる事は、辛い。
でも、
俺は…、
いつかのお前たちの為に…
『未来』を、繋ぐ――――