記憶 ―砂漠の花―
…カエリ…タイ…
そう、帰りたい…。
どこかへ…―――
ねぇ、
……どこへ?
碧い空、白い月、金色の星座、
目の前に広がるのは砂漠。
風が吹く、砂が舞う、
人影が、揺れる―――
……あれは?
あれは聞きなれた甘い声。
「………」
遠くで…、
誰かが呼んでいる。
そんな夢を見ました。
どこかへ行きたい。
どこか彼方へ帰りたい。
私には、どこか帰るべき本当の場所がある、
そんな感情が生まれるのは、
どうして…?
ねぇ…
私は、何かを忘れているの…?
「………」
まだ私を呼ぶ声がする。
これは夢?
現実?
深い眠りから覚めてゆく…。
呼び戻される―――
そして、
目の前には――――、