記憶 ―砂漠の花―
私はマギーの入れてくれた温かなお茶のカップを両手で包みながら、首を傾げた。
マギーは、静かにゆっくりと首を横に振る。
「…旅で、より多くの事を学ぶでしょう。貴女の魔力は大きい…。自分を、しっかり持ちなさい?」
「……?」
いつもと打って変わって、しおらしく元気のない様子に、私も静かに頷いた。
「…貴女の無事を、心から祈ってますよ?」
「うん。」
マギーは優しく微笑んだが、
その曇った表情が、
晴れる事はなかった。