記憶 ―砂漠の花―
キースが今回の旅に加わったのは、私たちの心配からだけでなく、カルラさんへの罪滅ぼしの意もあるのだろう。
父上にも頼まれたのかもしれないが、キースの性格上、八割がた自主的な行動だろう。
その場は、しばらく静まりかえっていた。
誰もがその返答に注目していた。
キースは、下を向き、肩を震わせていた。
「……はい…。仰せのままに!」
そして、
涙を流しながら、そう膝を付き、頭を下げた。
「よし!約束だ!ここにいる皆が証人だからな…。頼んだぞ、アズ、アイリ。」
「「…はいっ!」」
初めて見せたキースの涙に、
知らなかったラルファの過去の一部…。
今の幸せを築いた影の人物に、
苦しんだ全ての人々に感謝し、
「喜んで、お引き受け致します!」
私たちも膝を付き、頭を下げた。
『今まで本当に有り難う』と、叔父様は膝を付くキースを抱き締めた。