記憶 ―砂漠の花―


アズはそう言って二人の顔を見るが、二人はその出来事すら気が付いていなかった様子だ。

アランは「自分は悪くない」とばかりにアズに対して口を開く。


「あんだけの距離で、それに気付くお前の方が変なんだよ!」

「いや、俺たち元から視力いいし。アイリも見ただろ?」

アズが少しムッとしながら私にふった。

「うん。」


「えぇ~!?アイリも見えたの~?絶対、変だぞ、お前たち。」

私たちを交互に指差して、アランがわめく。
キースは、自分がそこまで見えていなかった事に自信を失っていた。


それを完全に無視して話を進めるアズ。


「アイリ分かった?何て言ってたか。」

「う~ん…完全じゃないけど。『ちっ、また反乱軍の奴等か?瞬間移動か、かなりの使い手がいるな。一応報告しておくか。』ってかんじかな。」

そうアズに首を傾げた。


「え~アイリ、さらに聞こえちゃったの~!?耳もおかしいよ?」

「もうっ!うるさいアランっ!マイナス10点!」

私の下したマイナス点に、この旅中に私を自分に惚れさせるという目的を思い出したアランは、急に態度を改めた。


「冗談だよ~。そんなに怒るなよ。唇を読んだんだろ?」

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