記憶 ―砂漠の花―
まぁ布袋だし、窒息はしないでしょう…。
「二頭も無事か?」
「うん、大丈夫。」
アズの問いに答えると、再び後ろから私を抱き締めるアランの手が伸びてくる。
「俺の事も少しは心配してよ~。」
「触んないでって!」
そんな私たちの横で、キースとアズが溜め息をついて話し始める。
「反乱軍、と勘違いし続けてくれれば好都合だな。だが、明日には偵察が来るだろう。早いとこ、どうにかしなくちゃな…」
横で騒いでいる私たちから目を背け、アズがキースとの会話に一生懸命集中しようと引きつりながら、
「で、この島は?」
と、聞くが…、
その時、アランの手が私の胸に触れた。
「あぁっ、アイリ結構胸あるね~!いが~いっ!!」
アズの、……血管の切れた音を聞いた気がする。