Raindrop
「ありがとう。助かったよ」

「なんだよ、笑ってないでお前もちょっと言い返してやれよ」

「いいんだ。いつものことだよ」

自分の席からカバンを取り教室を出ると、同じようにカバンを持って響也もついてきた。

「黙ってると図に乗んぞ、ああいうヤツラは」

「言いたい奴には言わせておけばいい」

「けどよー」

「自分が正当な評価を受けていないと勘違いしている、愚か者の戯言に付き合っている暇はないからね」

そう言うと、響也は鋭い目をきょとんとさせ。

「俺、お前のそういうプライドの高いトコ、結構好きだぜ~」

ニイ~っと白い歯を見せて笑った。

「そうかい、ありがとう。僕も君の直情的なところ、割と気に入っているよ」

「あっははは、そうかよー」

「本当に、いつも感謝しているからね」

「……む、そうか」

ちょっとだけ照れたような響也は、ぽりぽりと頬をかいて、またニイ~っと笑った。

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