Raindrop
響也の姿が見えなくなるまで見送って。

昇降口に避難していた運動部員たちが徐々に校舎内に入っていく波に逆らうように、雨の降りしきる外へと足を進める。

傘を打つ雨音。

アスファルトの上に撥ねる雨水。

灰色に染まった景色。

それらすべてが、僕の足を重くさせる。

──いや。

これは雨のせいではない。

僕の……弱さのせいか。





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