Raindrop
そんな彼女の背中を摩り、声をかける。

「少し飲みすぎてしまったようですね。アキさんも心配していましたよ。先程コーヒーを預かりました。冷蔵庫に入れておきましたから」

「あ……そう、なの……ありがとう……」

「淹れたてが良ければ作りますけど、どうしますか? コーヒーメーカーもあるようですし」

「え、いえ、そこまでお世話になるわけにはいかないわ……って、あの、この良い匂いは……」

「少しですが食事を作っておきました。食べられそうですか?」

「え、ええ……!?」

「食欲はなくても、水分は取った方が良いみたいですね。色々と買ってきてはみましたが、どれがいいですか」

「そ、そんな、和音くん……」

飲み物を用意しようとキッチンへ戻る僕を目で追い、水琴さんは気づいたんだろう。

この部屋の汚さに。

その中に僕がいることに。

「い……いやあぁああぁああ!!!」

大絶叫が部屋の中に響き渡り、水琴さんはベッドから飛び降りた。そして、

「い、いったあぁああぁああ!!!」

更に大絶叫が響き渡った。

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