Raindrop
「あ……すみませんっ」

床に崩れ落ちた水琴さんのところに急いで戻る。

「水琴さん、足を捻ってるんですよ、歩かないでください」

「ひ、捻った……いつ……昨日……?」

「はい、半分は僕のせいです、すみません」

助けられなかったので、と続けながら肩を貸し、ベッドに座らせる。

「そ、それじゃまさか、和音くん、私をおぶってここまで?」

「おぶったというか、抱っこですね」

「そ、そんな……」

水琴さんは頭を抱え、再び蹲った。

「ごめんなさい、本当にごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」

「そんなに謝っていただかなくても大丈夫ですよ。結構楽しいですから」

「え?」

「貴女の反応が」

にこり、と微笑んで見せると、水琴さんは顔を上げてきょとん、と目を丸くした。

それから少し頬を赤く染める。

「……律花さんに聞いたとおりだわ」

「なにか聞きましたか」

「下の子2人は幼いけれど、上のお兄ちゃんだけは子どもらしくない、って……」

「ああ、そうかもしれませんね」

微笑む僕に、水琴さんは眉を潜めた。

「……イメージが、違う……」

「僕も水琴さんのイメージが変わりました。お相子ですね」

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