Raindrop
その光がふっと和らいで、ようやく僕も息をついた。
目が合った水琴さんは、いつものふわりと柔らかい笑みを浮かべた。
「どう?」
「……さすがです」
そんな感想しか出てこない。
本当に感動してしまったときには、人は言葉少なになるものかもしれない。
言葉の代わりに、水琴さんに飲み物を差し出す。ずっと演奏していて喉が渇いただろうと。
水琴さんは礼を言いながらそれを受け取り、ちょっと休憩、と僕の隣に座った。
「ところで、さっきから気になっていたのだけれど、これはなぁに?」
……と。
僕の反対側を覗き込む水琴さん。
そこには白い箱が置いてあった。水琴さんへのプレゼントのつもりで持ってきたものだったけれど……出しそびれてしまった。というか、このまま持って帰りたい。
「なんでもありませんよ」
「ふうん」
僕の言うことなどおかまいなしに、水琴さんは僕の前に身を乗り出し、箱を手にした。
「ケーキじゃないの?」
「いや、その」
白い箱は見るからにケーキの箱だ。袋に入れてくるべきだったと思いながら、しかし箱を開ける水琴さんを止めることも出来ずにいると。
「すごい、何これ!」
水琴さんが感嘆の声を上げた。
目が合った水琴さんは、いつものふわりと柔らかい笑みを浮かべた。
「どう?」
「……さすがです」
そんな感想しか出てこない。
本当に感動してしまったときには、人は言葉少なになるものかもしれない。
言葉の代わりに、水琴さんに飲み物を差し出す。ずっと演奏していて喉が渇いただろうと。
水琴さんは礼を言いながらそれを受け取り、ちょっと休憩、と僕の隣に座った。
「ところで、さっきから気になっていたのだけれど、これはなぁに?」
……と。
僕の反対側を覗き込む水琴さん。
そこには白い箱が置いてあった。水琴さんへのプレゼントのつもりで持ってきたものだったけれど……出しそびれてしまった。というか、このまま持って帰りたい。
「なんでもありませんよ」
「ふうん」
僕の言うことなどおかまいなしに、水琴さんは僕の前に身を乗り出し、箱を手にした。
「ケーキじゃないの?」
「いや、その」
白い箱は見るからにケーキの箱だ。袋に入れてくるべきだったと思いながら、しかし箱を開ける水琴さんを止めることも出来ずにいると。
「すごい、何これ!」
水琴さんが感嘆の声を上げた。