Raindrop
「今日は花音がパフェを作ったんです。響也先輩も一緒にどうぞ」

拓斗がにこやかにそう言うと。

「だ、だめだもん。響也先輩にはあげないんだもん。お兄ちゃんに食べてもらおうと思って作ったんだからっ……」

僕の背中に隠れながら、ボソボソと花音が反抗する。

しかしそんな声では響也には聞こえない。聞こえていても聞こえていないフリをされる。

「パフェっ! あっついトコ歩いてきたからちょうど冷たいモン欲しかったんだよなー。ありがとな花音ちゃん!」

ニイッと笑った響也に頭をグリグリ撫でられて、花音は半泣き。


そこへ唐突に両親が帰ってきて。

「みんなただいまっ! お土産たくさん買ってきたよお~!」

「和音、拓斗、花音、みんな夏バテしていない? こっちは本当に暑いんだから……。今度の休みは避暑に出かけましょうね」

更に家の中は賑やかになり、楽しい雰囲気に包まれる。

< 301 / 353 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop