Raindrop
付添い人としてマスターが一緒に病院まで来てくれて、後からやってきた家族たちに状況を説明してくれた。
その間に医師による診察が行われたのだけれども。
……やはり、神経が完全に切れている状態だった。
手術が必要だと言われたときには、母や花音は泣き崩れてしまった。
「ごめんなさい和音、母さんのせいよ、母さんが、貴方を傷つけてしまったのよっ……」
まったく非のない母にそう言われて抱きつかれて。
ああ、僕もこの状態だったのだな、と。ぼんやりと思った。
こうなったのは母さんのせいなんかじゃない。僕は母さんを責める気などない。そんな風に泣いて欲しくなんかない。
……水琴さんも。
空の上で、そう、思ってくれているのだろうか……。