Raindrop
そして、味方は更に増える。



響也と別れ、家に帰ると。

ドアを開けた瞬間に、ぬーん、とフランケンシュタイン似の強面の顔が飛び出してきた。

「っ……」

驚いて後退ると、フランケンシュタイン似の巨漢が、すっと頭を下げた。

「お帰りなさいませ、和音様。私、本日より和音様専属執事として仕えさせていただきます、西坂と申します。以後、お見知りおきを」

「……執事?」

「はい、旦那様、奥様より命を受けまして」

「そう、ですか……」

そうか、花音のことがあって両親には心配をかけてしまったから、執事なんてものを寄越したのかもしれない……と思っていると。

「和音様」

ぬーん、とフランケンシュタイン似の顔が迫ってきた。

僕はまた一歩、後退りした。

「私ども執事に敬語など必要ありません。どうか、ビシビシとご命令くださいませ」

そう言って恭しく頭を下げるフランケンシュタイン……もとい、西坂。

「分かったよ……ありがとう」

あまり見たことのないような強烈な顔に、少し動揺しながらも家に入る。

< 69 / 353 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop