デュッセルドルフの針金師たち前編

その日はアルジェリアの学生の団体が泊まっていて、
一週間ほどいるという。半分が女子学生で30人ほど。

ちょうど観光から帰ってきたところで作業に興味津々だが
もう昨日も散々とり巻いていたそうだ。石松も縁日も全く
相手にしないで作りまくっているから今日は近づいてこない。

中に母親が日本人というハーフ、黒髪でスタイルがよくて、
その娘がとにかく積極的にモーションをかけてくる。

「あんたに気があるんやであの娘、みえみえや」

石松が笑う。大阪弁につられてつい、

「わしフィアンセおるしええワ」

「ディスコくらいさそってやり」

「・・・・・そやな」

ちょうどそこにユース泊まりの日本人旅行者が3人やって
きたのでアルジェ娘を含めて10人ほどで今晩ディスコへ
行くことになった。オサムは仕事が終わって後から合流だ。



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