デュッセルドルフの針金師たち前編
「また作ればええやんか」
石松はいたって元気だった。さすが中東歴戦の勇者だ。
しかし危険は危険だ。もし捕まったらと思うとぞっとする。

オサム達はディスコで踊りビールを飲んでぺちゃくちゃ
おしゃべりしてたらもう朝が来た、徹夜だ。黒髪の彼女を
なだめて皆と一緒にユースへ帰す。さあ春巻きとご飯たきだ。

寝不足のまま金都に着くと実に久しぶりにマメタンからの
手紙が来ていた。なぜか1週間前のコペンからの差出しで、
東京から追いかけてきた元彼とはストックでとにかく会った、

一週間を二人で過ごしじっくりと語り続けるうちに二人とも
成長して大人になっていたんだなと気が付いて、元彼は納得
して元気一杯他はどこも見ずに帰国したとのこと。

すごい奴だ。彼女に会いたい一心だけで来たというのは本当
だったのだ。まあ結婚でもすればかなり疲れるだろうなとは
思ったが。そういうわけで、心の準備が整いました一週間後

の夕方にデュッセルドルフの中央駅に着きます迎えに来てく
ださいとのこと。一週間後てひょっとしたら明日じゃないか。
夕方迎えに行くのは何とかなるけど心の準備が、きょうあの

黒髪娘が私を部屋まで連れてってとたずねてくるし、明日
出発してアルジェに帰るそうなので、何かとても危険が一杯で
全く心の準備ができずに、寝不足で二日酔いでボーッとしてて

そのうちに午後の休憩時間が来てしまった。黒髪娘の声だ!

「へーイ!オサム!ウェアアーユー?」
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