桂ちゃんへ。
サークルの活動日は週2回。


初めての活動日、少し緊張しながら練習をする教室へ向かった。





教室の前に着くと、中から音楽が聞こえる。



(あ・・この曲好き・・)



当時すごく流行っていた、外人の男性が歌うラブソング。



その歌に吸い寄せられるかのように、あたしは教室の中に入った。


すると窓際に、踊ってる男の人がいた。

あたしが入ってきたのに気付かないみたいで、さっきから踊り続けてる。




(この人まぢうますぎ・・。)


ふと、ダンスの途中でその人が横を向いたとき、少しだけ顔が見えた。




(ん・・?


いや、それはないでしょ・・。


でも・・)




疑問は確信へ変わりつつあった。





目の覚めるような金髪。

焼けた黒い肌。

華奢な後ろ姿。





(絶対そうだ・・)



どうにかして確かめたくて、あたしは声をかけることにした。



『あの〜・・』





次の瞬間、

その人は振り向いた。







「え・・・」

『あ・・・やっぱり。』



窓からは爽やかな春風が入ってきていた。
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