冷血ボーイ





葵には午前中に、今日の昼休みに玲央くんのお父さんにもう一回認めてもらえるように頼みに行く、と言っておいた。





葵が心配そうにあたしを見つめてくるから。




「大丈夫…だった?」




申し訳なさそうに、小さな声で葵はつぶやいた。




「うん…大丈夫だった…っ、認めてもらえたよ…」




ああ。どうしよう。

さっき泣いたばかりなのに…。




葵に伝えようとしたらなんか泣けてきちゃった。




「ほんとに?あたしを心配させたくないからって嘘ついてないよね?」


「うんっ、ほんとだよ」




あたしは泣きながら微笑んだ。




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