冷血ボーイ




「今が一番、幸せ」



にひひ、と空に向かって笑う。




オレンジ色の太陽に、いいでしょ?あたしの彼氏!と心の中で自慢。




「じゃあひまわり」


「なに?」




あたしの名前を呼ぶと、玲央くんは道の真ん中で立ち止まった。




「もっと幸せにしてあげる」




玲央くん、少し背が伸びたかな。




真っ正面から向き合うと、目線が少し変わったような気がする。




「もっと?」




あたしは首をかしげた。




今より幸せなんてあるのかな。

それを知ってしまったら、あたしはどうなるんだろ?




なーんて…。




そんな悩みは幸せの悩み。





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