冷血ボーイ




「もう時間」



そう言って、壁に掛かっている

シンプルな時計を指差した。



「うん、そうだね…」



もう、終わりかぁ。



この時間になると少しでも自分が

玲央くんに対して冷たい態度を

とってしまったことに反省する。



「ひま立って。

ひま立たないと俺が立てない」



玲央くんの足の間にいるあたしが

どかないと玲央くんは立ち上がれない。



このままあたしが立たなかったら

玲央くん怒るかな…?



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