†黒ウサギの仕事†Ⅱ
「こんな所で何してるの?」
グループの一人が僕に話しかけてきた。
僕は無視した。
「あれ?無視?ひどいなぁ…」
ケラケラ笑うその男の声を聞いて僕の身体は震えた。
薄気味悪い笑い方。
不気味な笑顔。
髪の色。
耳。
口。
目。
全て全て壊してしまいたい。
紅く紅く染めてやりたい。
今すぐに殺してしまいたい…。
僕はそんな気持ちを抑えながら静かに路地裏から出ようとした。
「ちょっと待ってよ。お金貸してくれない?」
「持ってません」
僕は静かにそう言った。
あくまで冷静にしていなくてはいけないのだから。
だって僕は殺し屋だもん。