†黒ウサギの仕事†Ⅱ
気味が悪い。
亞蓮の顔からはさっきの笑顔が消えていて、もの凄く怖い顔になっていた。
「亞蓮、どうしてこんな事するんだ?仲間じゃないのか?」
じりじりと距離を詰めてくる亞蓮にそう尋ねた。
亞蓮はフッと笑い、こう言った。
「殺したのは俺ですけど、俺は仕事をしただけです。もちろんちゃんと殺し屋として雇われましたし」
殺し屋として雇われた?
一体誰に?何の為に?
そもそも亞蓮は実行者ではないはず。
どうして?
「あ、今更ですけど俺、情報の仕事と実行者の仕事をどっちもできますから」
亞蓮の綺麗だった瞳にはもうキラキラ輝くものはなかった。
ただ、その輝きの無い瞳の奥にはもう二度と元には戻れない黒い黒いものが僕を見て笑っていた。