一方通行→→love!


電車に揺られていると、しらない高校生がちらちらと私を見てくる


多分、同じ歳くらいの男の人


制服から見て隣の高校の生徒、かな


私になにか用事かな、とじーっと私はその高校生を見る


すると、その高校生はふいっとそっぽを向いてしまう


なんだ、勘違いかと思いながらも、私はいつもの駅で降りた


降りたとき、パシッと誰かに腕をつかまれる

バッと振り返ると、さっきの高校生だった


「な、なにか用?」


愛想笑いを浮かべながら、少しビクビク


怖かった。正直。


「あ、あのっ」


顔は上々、つかイケメンな彼


ほほを染めながら、彼は息を吸った。


「たまにこの電車の車両で君に会って、ずっと気になってました!好きです!!付き合ってください!!」


たまにっていうのは、私が寝坊をしたとき、かな・・・


なんて関係ないことを考える


だって、え?


このイケメンが私に告白ですか?


しかも出勤ラッシュなこの人混みで?


この人、目がおかしいのかな・・・・


「い、いきなりすみません・・・・俺の友達も狙ってて、コクらないと手遅れかなって・・・」


苦笑するイケメンに、私は目から鱗。


「わ、私がですか・・・・?この、私が?」


ポカーンとするしかない、そんな気分


「あ、あの・・・どこがそんなに・・・?」


「由奈さんは、俺の高校でも有名な、美人ですから」

にこりと微笑んで、それでは、と頭を下げ去る高校生を見つつ



(美人!?どこが!?つかアタシの名前なんで知ってんの!?)


と、頭を抱えるはめになった


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