えくぼ~春風~
杏莉と別れ家に向かうと少し前に
あの怖そうな人がいた。
うわぁ…
一人のときに会いたくなかった…
怖いんだよね、あの人…
このままいけば
すれ違うこともないし大丈夫だよね。
すると、
その人はいきなり振り返り
こっちを見てきた。
「…ぇ…」
「お前さ、俺の隣の席だよな。」
「あ、え…はい。」
「俺は春野 蒼。
よろしく。」
「は…るの…?」
「おぅ。春野だ。」
「あたしの名前知ってる?」
「は…?しらねぇ。」
「あたし坂元 陽乃。」
「お前名前陽乃なのか!」
「うん…」
嫌だよね…
こんなあたしと一緒だなんて…
「お揃いじゃねーか!
なんか親近感わくわー。」
え…
嫌がってない…?
「お前さ…」
「ん?」
「え…えくぼあるじゃん?」
確かにえくぼはある。
それがなんなんだろぅ…
「うん…?」
「…いや、やっぱなんもねーや。」
「え…?
気になるじゃん。(笑)」
「いーんだよ。
気にすんな。」
「う…うん。」