えくぼ~春風~
ずっと走ってたどり着いた
どこかの公園でベンチに座っていた。
ずっと電源を切っていた携帯の
電源を入れたら着信が20件。
5件が杏莉。
14件が裕優輝。
1件が蒼。
一回でも蒼から着信があったこと
がこんなに嬉しいなんて…
いつの間にこんなに蒼のことを
すきになってたんだろぅ…
プルプル…プルプル…
誰…?
「もしもし…」
「おい!今どこにいんだよ!」
裕優輝…
「ゆっ…裕優輝…」
裕優輝の声を聞くと自然と
涙が溢れてきた。
「おっ…おい!
どーしたんだ!」
「裕優輝ー…
もうわかんないよぉ…」
「俺がそこいくから場所教えろ!
俺がいくまでまってろ!」
「うん…
でも場所がわからないんだ…」
「は?」
「夢中で走っちゃったから…
どこかの公園なんだけど…」