サヨナラと言いたかった
「私はせっかくこうちゃんのこと忘れかけていたのに。

5年かかって、やっと忘れられると思ったのに…。
また、こうやって目の前に現れて…。」



気がつくと、私は泣いていた。



「ユイ…ごめん。


俺はいつもお前を苦しめてばっかりだな。
会わなきゃ良かったんだ。
あの日、俺が『会いたい』って言わなければユイをこうやって泣かすこともなかった。」



てのひらでおさえても、
指の間から涙がどんどん溢れてくる。



「・・・そう。




会わなきゃ良かったんだよ。




そもそも、7年前に出会ったのが間違いだったんだよ。」



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