サヨナラと言いたかった
どうして、ここにこうちゃんの奥さんがいるの?


どうして、私の話を二人でしているの?


こうちゃんは、一体何を考えているの?



私は、その日どうやって七波を保育園まで迎えに行き
家までたどりついたのか、全くおぼえていなかった。

家に帰ってからも、こうちゃんと奥さんの顔が順番に浮かんできて、とうとう夜は一睡もできなかった。

そんな私の様子を心配した和真は夜中に何度も
「大丈夫か?」と声をかけてくれた。



私は、こんなに優しい和真を裏切って、
こうちゃんとの密会を楽しんでいた。
こうちゃんに心が惹かれはじめていた。



だからきっと、神様が罰を与えたんだ。



心がぐちゃぐちゃになって、壊れてしまいそうだった。

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