サヨナラと言いたかった

「崩壊」

付き合い始めてしばらくすると、
私たちはほとんど毎日のように一緒に過ごすようになっていた。

こうちゃんは仕事が終わるとまっすぐ私の部屋に来て
、翌朝そのまま会社へと出勤していった。

私の授業が午後からの日は、逆に私の方がこうちゃんの部屋に泊まったりもした。

それが当たり前になって、
いつからか自分が結婚をしている男と付き合っているという感覚が薄れていった。


「日曜日の午後に若い女の子とおいしいご飯を食べてるなんて…

俺ってほんとに最低な男だな。」


「ほんっと最低。
私はそういう男とは絶対に結婚しないでおこう…。」


「そうだな~、ユイには俺みたいな男とは一緒にならないで欲しいな。」

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