サヨナラと言いたかった
――――結婚。


そんなこと、考えたこともなかった。


こうちゃんと結婚できるなんて、夢見ることさえ許されていないと思っていた。

私が大学を卒業して札幌を離れたら、自然と関係が終わってしまうような予感がしていた。

こうちゃんのいない生活を想像すると、寂しくて胸が苦しくなったけど
それでもいつかは『別れ』が来ることは
仕方のないことだと、ずっと自分に言い聞かせてきた。




でも、こうちゃんは


私と結婚したいと言ってくれた。

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