サヨナラと言いたかった
プロポーズされてすぐに、
私はこうちゃんと一緒になるつもりでいることを
東京にいる原田先輩に伝えた。


先輩は驚いていた。
そしてひどく落胆していた。


「二人が付き合ってることは、知ってたけど・・・
まさか、結婚するなんて思わなかったよ。」


「うん、私もこうちゃんに言われるまで
そんなこと一度も考えたことなかったんだけど。」


思いがけないプロポーズを受けて完全に浮かれている私に先輩は厳しい口調で言った。





「並木は、本当にそれでいいのかよ。」



「え?」
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