サヨナラと言いたかった
「ママ~!ママ!」
うしろから娘の声が聞こえて、私はふと我に返った。
「ママ、でんわ?パパ?」
娘は、突然うつむいたまま動かなくなった私を心配そうに覗き込んでいる。
「ううん、昔のお友達。
七波、ママの電話イタズラしたでしょ?
ママのお友達につながっちゃったんだからね~。
いつも触っちゃダメだって言ってるでしょ?」
そのとき私は、娘の七波が私の携帯を触っていたとき、
偶然にも彼の番号に発信してしまったと思い込んでいた。
『もう5年も前の電話番号なのに、変わっていなかったんだ・・・。』
二度と話すことはないと思っていたけど
どうしても消すことができなかった彼の電話番号。
まさかこんな形で声が聴けるなんて思ってもいなかった。
なんでだろう。
震えが止まらない。
ずっと心が震えたまま。
たった1分12秒、彼と交わっただけなのに、
ものすごいスピードで5年前の自分に呼び戻されていく。
あの頃の私は、もうここにはいないのに。
うしろから娘の声が聞こえて、私はふと我に返った。
「ママ、でんわ?パパ?」
娘は、突然うつむいたまま動かなくなった私を心配そうに覗き込んでいる。
「ううん、昔のお友達。
七波、ママの電話イタズラしたでしょ?
ママのお友達につながっちゃったんだからね~。
いつも触っちゃダメだって言ってるでしょ?」
そのとき私は、娘の七波が私の携帯を触っていたとき、
偶然にも彼の番号に発信してしまったと思い込んでいた。
『もう5年も前の電話番号なのに、変わっていなかったんだ・・・。』
二度と話すことはないと思っていたけど
どうしても消すことができなかった彼の電話番号。
まさかこんな形で声が聴けるなんて思ってもいなかった。
なんでだろう。
震えが止まらない。
ずっと心が震えたまま。
たった1分12秒、彼と交わっただけなのに、
ものすごいスピードで5年前の自分に呼び戻されていく。
あの頃の私は、もうここにはいないのに。