サヨナラと言いたかった
「川島さんには、奥さんがいて子どもだっているんだぞ。
もし会社に離婚の原因が知られたら、会社だってクビになるかもしれない。


そんなふうに簡単に結婚なんて決めていいのか!?」


受話器から、先輩の怒鳴り声が響きわたる。


耳が痛い・・・。




「――――私が全部悪いの?」



私たちの関係を唯一知っている原田先輩だけは、
結婚を祝福してくれるんじゃないかと勝手に思い込んでいた私がバカだった。

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