サヨナラと言いたかった
そこには、封筒に書かれている宛名と同じ筆跡のきれいな文字が並んでいる。

私は震える手で便箋を持ち、声に出して読んでみた。



「・・・東京都足立区・・。」



それは、こうちゃんの家族が住んでいる東京の住所だった。


しかも、中には80円の切手が貼られている封筒と真っ白な便箋が一枚、同封されていた。



「何、これ?」


私は、送られてきた手紙を手にとって、しばらく考え込んだ。
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