サヨナラと言いたかった
3週間たってもこうちゃんは私の元に戻って来なかった。

仕事だってもうとっくに始まってるはずなのに・・・。


毎日、何十回も携帯に電話をかけても一度もつながることはなかった。
もちろん、こうちゃんからの連絡もない。


どうして?

どうして、帰ってきてくれないの?

どうして、連絡もくれないの?



不安で押しつぶされそうになっていた私は、
食事も喉を通らず、外に出かける気力もなくて、
ただひたすらこうちゃんの匂いが残るベッドで泣きながら眠った。




伝えたいことはたくさんあるのに、
伝える方法がない。



私は自分の心がどんどん弱っていくのを感じていた。





そして、決定的な出来事が―――

< 68 / 117 >

この作品をシェア

pagetop