サヨナラと言いたかった
その日、久しぶりに大学の講義に出席した私は、
学校が終わるとすぐに、こうちゃんのマンションへと向かった。


『この部屋には、帰ってきてるかも・・・。』


何か深い理由があって、私の部屋まで来られないだけかもしれない。

帰ってきてからの仕事が忙しすぎて、連絡ができなかっただけかもしれない。

そんな都合の良い理由を勝手に想像しながら、
私はこうちゃんの部屋までたどりついた。


ずっと前にもらっていた合鍵をバッグから取り出しドアに差し込んだ瞬間、


「?」


いつもと違う感触がした。



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