サヨナラと言いたかった
そう考えると涙が次から次へと溢れてきて、
私は前へ進めなくなった。


「ちょっと、ユイ。どうしたの?
やだ、なんで泣いてるの?」


みちるが心配そうに私の顔をのぞきこむ。


「どうしよう・・・。


私、なんにも無くなっちゃった・・・。」


私は膝を抱えて泣いた。


もう泣くのはやめようと思っていたのに、
胸の奥からこみ上げてくる涙を抑えることができなかった。


どうして今、こうちゃんはここにいないの?


どうして私を置いていってしまったの?

< 80 / 117 >

この作品をシェア

pagetop