サヨナラと言いたかった
「何があったかわかんないけど、とにかく立とう。

せっかくツリーを観にきたのに下向いたままなんて、もったいないよ。」



そう言って優しく差し伸べられたみちるの手を私は強くつかんだ。



そうだ。

立ち上がらなきゃ。


暗闇から抜け出すために、一人でここまで来たのだから。



私は何とか立ち上がって、空を見上げた。



そこには、

大きな空と

真っ白な月と

小さな星たちと



数え切れないほどの光があった。


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