サヨナラと言いたかった
一通り話し終わるとみちるはふいに立ち上がり、キッチンの方へ行った。


しばらくすると、温かい優しい香が流れてきた。


「はい、ミルクティー。
砂糖はたっぷり入れておいたから。
甘いものを飲むと元気が出るよ。」


みちるは、にっこりと微笑みながらカップを手渡した。


「ありがとう。


向こうに一人でいるときは、本当にどうしたらいいのかわかんなくて、

ずっと泣いてばかりいて…
でも、このままじゃ先には進めないって思って…

気持ちを整理させるために
一人でツリーを観に来たんだ。」


「それでここへ来て、ユイの心は決まったの?」



みちるの瞳が、まっすぐ私を見つめる。



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