サヨナラと言いたかった
「それで、どうしようかな~って
しばらく悩んでたら、これが売ってたんだよ!」



「わあ!」


和真がポケットから取り出したのは、ビー玉がたくさん入った袋だった。


「これでビー玉はゲットしたから、絶対にこの面接は大丈夫!


だから、これ一つ並木さんにもあげるよ。
ラッキーのおすそ分け。」


そう言って、和真はにっこり笑った。



『あ、この人、笑い顔がこうちゃんに似てる。』



私は自分の頬が赤くなっていくのがわかった。



「次、並木結衣さん、お入りください。」



その瞬間、中から私の名前が呼ばれた。


和真は、ちらっと私の方を見て
『がんばって』と声を出さずに言った。


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