サヨナラと言いたかった
揺れる電車の中で、私はそーっとポケットからビー玉を取り出した。



よく見ると


キラキラしてて、綺麗。



角度を変えれば


色も輝きも変わる。




しばらくじっと眺めたあと、落とさないようにそっとカバンの中にしまった。


『私もあの人も、二人とも受かってるといいな。』


そんなことを考えながら電車の中で一人、
和真の笑顔を思い出していた。


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