サヨナラと言いたかった
その後、春の入社式で私は和真と再会する。


同じ部署に配属された私たちは、入社から半年ほどたった頃から付き合い始め、
その3年後には結婚した。




あの日、和真がビー玉を私にくれなかったら
もしかしたら私たちは結婚していなかったのかもしれない。


いや、あのとき私があの試験を受けていなかったら、
出会うことすらできなかった。



そんなふうに考えていくと、やっぱり最後に突き当たるのが


『あのとき、こうちゃんに捨てられなければ
私は和真にも七波にも出会うことはできなかった。』


という想い。



今までは、ずっとそんなふうに考えて自分を納得させてきた。



でも、今は・・・


こうちゃんと5年ぶりに再会してから、私の心は少しずつ変化していた。


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