悪魔狩り屋と優しい悪魔
―教室
「あれー?安久李君、ブレザーはー?」
俺の周りの女子が、猫撫声で聞いてくる。うざったい…俺は営業スマイル(?)を浮かべながら応対する。
「汚れちゃったんだ。だから今はセーターで過ごすんだ」
「へー…安久李君もそーゆーとこあるんだー」と、女子は笑いながら言う。
正直、俺はこういう女子は嫌いだ。俺は女子に見えないように顔をしかめる。自分の前髪を引っ張るようにしてつかんだ。
色素の薄い、金に近い茶髪に髪とは対照的な闇のような瞳。陶磁器みたいな真っ白な肌に、バランスのとれた顔のパーツ―人間離れしてる容姿だ。
こんな容姿だからか、女は嫌ってほど寄ってくる。しかも、その全員が派手なメイクのチャラチャラした軽そうな女子だ。
こんな女より…俺は…