悪魔狩り屋と優しい悪魔
私は後方に高く跳び、悪魔の間合いを取った。
神器でコートの袖を切り、傷口を覆うように縛った。
悪魔がしつこく追いかけてくる。
私は舌打ちをし、全力疾走で悪魔と鬼ごっこをした。
「くっそ……」
息を切らしながら、私は小さく呟く。どこか少しでも時間を稼げる場所は…
私の視界に、10メートルほど離れた所にある廃ビルの存在が飛び込んできた。
あれだ!私はさらに加速し、再び高く跳ぶと廃ビルの3階にあったガラス窓に向かって飛び込んだ。
ガラス窓が派手な音を立てて砕け散る。飛び込んだ衝撃で腰にさしていた神器が鞘から抜け落ち、ホルスターに収めていた銃は部屋の隅へと転がった。
私はうまく受身を取ると、すぐさま立ち上がった