悪魔狩り屋と優しい悪魔
私は眉間に皺を寄せ、声の主を見る。声の主、安久李さんはゆっくりと私に近寄り始めた。
「貴方に酷い格好うんぬんは関係ないと思います。そもそも、ここには誰もいないはずなのに何故貴方がいるんですか?」
私は息を切らしながら安久李さんに向かっていう。
徐々に身体に毒が回っていくのが分かる。身体が痺れて、意識が飛びそうになる。
私は頬の内側と下唇を噛み、必死に意識が飛ぶのを堪えた。
「随分と苦しそうだね…意識が飛んでも当たり前なのに……仕方ないなぁ」
安久李さんが私の前に座り込んだ。
「近付くな」と言いたいが、舌が回らない。
私はただ、安久李さんを睨み付けた。