悪魔狩り屋と優しい悪魔


私は急いで安久李さんからできる限り距離をとった

「ひどいなぁ、凛童ちゃん」

「うるさい!!」

私は急いで立ち上がると部屋の隅に転がっていた銃を拾い、弾をこめ直した。

1発ぶちかましてやろうかと考えたが、残念ながらこの銃は人間には効果がないのだ。

私は小さく舌打ちをすると、銃をホルスターに収めた。

「また行くの?」

安久李さんが尋ねた。私は小さく頷くと、鞘から抜け落ちたままの刀を拾い腰にさした。

「当たり前です。ここも長くは持たないんですし私は悪魔狩り屋ですから」

私は窓から外の様子を見る。悪魔の顔がドアップで映されている。結界を破ろうと四苦八苦しているようだが、びくともしないのだろう。随分苛立っているようだった。

< 32 / 101 >

この作品をシェア

pagetop