悪魔狩り屋と優しい悪魔
朝食兼昼食を食べながら、私はTVを見ていた。
すると、インターホンの軽い音が聞こえた。
「はーい」
私は食パンを皿の上に置き、髪を三つ編みにしてリボンで止めると、ドアノブに手をかけた。
「どちら様で……「おはよ、綾芽ちゃん」」
私が言い切る前に、ドアの前に立っていた初老の女性が微笑みながら言った。
「あ、春枝さん。おはようございます」
春枝さんは穏和な笑みを浮かべながら、手に持っていたタッパーを差し出した。
「はい、これ昨日作りすぎちゃったの。綾芽ちゃん好きかしら。鯖の味噌煮」
「ありがとうございます。いつも美味しいお料理を頂いて嬉しいです」
私は微笑みながら告げた。すると、春枝さんはえくぼを浮かべながら微笑んだ。
「いいのよ、同じマンションのご近所さんじゃない。それに学生さんなのに独り暮らしなんて偉いじゃないの。こういうのは、助け合わなきゃだめよ?」
春枝さんがにこにこと笑いながら言う。私も頬を綻ばせ、小さく頷いた。
「じゃぁ、また今度ね。たまには遊びに来てちょうだい?」
「はーい」
春枝さんが階段を降りるのを見守り、私は家のなかに入った。